栄養学の考え方を変えさせた実験
The Journal of Nutrition Vol. 127 No. 5 May 1997, pp. 1017S-1053S
Copyright ©1997 by the American Society for Nutritional Sciences
Experiments That Changed Nutritional Thinking
Kenneth J. Carpenter, Alfred E. Harper, and Robert E. Olson
Department of Nutritional Sciences, University of California, Berkeley, CA; University of Wisconsin, Madison, WI; and University of South Florida, Tampa, FL
グループ | 平均寿命 | メディアン寿命 |
d | ||
I 制限せず | ||
雄 (n = 14) | 483 | 522 |
雌 (n = 22) | 801 | 820 |
II 離乳期に制限 | ||
雄 (n = 13) | 820 | 797 |
雌 (n = 23) | 775 | 904 |
III 離乳2週間後から制限 | ||
雄 (n = 15) | 894 | 919 |
雌2 (n = 19) | 826 | 894 |
1 McCay et al. (1935)より | ||
2 動物室の温度が高くなりすぎて2匹の雌が若いうちに死亡した。これらは結果の計算に用いなかった。 |
グループ | 平均重量 | 密度 |
d | ||
I 制限せず | ||
雄 (n = 11) | 0.741 | 1.22 |
雌 (n = 18) | 0.540 | 1.21 |
II 離乳期に制限 | ||
雄 (n = 7) | 0.486 | 1.15 |
雌 (n = 13) | 0.398 | 1.13 |
III 離乳2週間後から制限 | ||
雄 (n = 9) | 0.484 | 1.09 |
雌 (n = 10) | 0.432 | 1.14 |
1 McCay et al.(1935)より | ||
2 動物室の温度が高くなりすぎて2匹の雌が若いうちに死亡した。これらは結果の計算に用いなかった。 |
>McCay et al. (1935) は種々の組織におよぼす食事制限の影響も観察した。彼らのもっとも顕著な観察は、食事制限したラットの骨の壊れやすさであった。彼らは骨によっては”解剖にさいしてボロボロになったのもある”と報告した。表2は死亡時における大腿骨の重さと密度についてのデータである。 食餌と長寿の関係についての確認 第2の実験でマッケーと彼のグループすべてのラットに制限食餌ラットが体重を丁度保つのと同量のnutrient-dense(訳注:栄養素がdenseの意味か?) の食餌を与えた。これは第1実験でnutrient-denseの食餌を無制限に与えられたのがコントロール・ラットの寿命が短くなったかどうか試すためであった。しかし、彼らはそれが原因でないと結論した。ラットの成長はショ糖、調理したデンプン、ラード (38:57:5) で調節し、コントロール・ラットは欲しいだけ食べさせた。さらにコントロール・グループは2つに分け、半分はタラ肝油を、半分は脂溶性ビタミン源として照射した酵母とカロティンを与えた。これらの異なる脂溶性栄養素は結果に大きく影響しなかったので、表3および表4の結果はこの2つの処理群を一緒にしている (McCay et al. 1939)。 |
グループ | 死亡時の日齢平均 | 範囲 |
d | ||
I 制限せず2 | ||
雄 (n = 17) | 670 | 308-896 |
雌 (n = 16) | 643 | 404-965 |
II 300日まで制限 | ||
雄 (n = 4) | 865 | 805-1018 |
雌 (n = 5) | 811 | 555-1183 |
500日まで制限 | ||
雄 (n = 5) | 806 | 366-1103 |
雌2 (n = 5) | 990 | 793-1078 |
700日まで制限 | ||
雄 (n = 4) | 874 | 772-1025 |
雌 (n = 6) | 912 | 406-1320 |
1000日まで制限 | ||
雄 (n = 5) | 882 | 406-1320 |
雌 (n = 4) | 1033 | 815-1320 |
1 McCay et al.(1935)より | ||
2 動物室の温度が高くなりすぎて2匹の雌が若いうちに死亡した。これらは結果の計算に用いなかった。 |
第2の実験は第1の実験の結果を確認し拡張するためのもので、106匹のラットで始めた。33匹はエネルギー量を制限せず、73匹は量を制限した。制限ラットの35匹は2回の暖房故障のために死亡した。300日に残った38匹の制限ラットは4つのサブグループに分けられ、300、500、700、1000日に無制限のエネルギー供給を受けた (McCay et al. 1939)。 制限食餌ラットのすべてのグループに、コントロール・グループより長生きの個体が含まれていた。もっとも長生きのコントロール・ラット(965日)が死んだときに摂取が制限された38匹のラットのうちの18匹が生きていた。食餌制限ラットは正常に食べることが許されると、1000日間食餌制限された個体を除いて成長するようになった。制限ラットはコントロールラットの正常サイズには達しなかった。 |
グループ | 平均重量 | 密度 |
g | ||
I 制限せず | ||
雄 | 0.70 | 1.10 |
雌 | 0.57 | 1.21 |
II 300日まで制限 | ||
雄 | 0.63 | 1.18 |
雌 | 0.45 | 1.13 |
500日まで制限 | ||
雄 | 0.54 | 1.18 |
雌 | 0.47 | 1.13 |
700日まで制限 | ||
雄 | 0.55 | 1.15 |
雌 | 0.39 | 1.11 |
1000日まで制限 | ||
雄 | 0.38 | 1.06 |
雌 | 0.37 | 1.03 |
1 McCay et al.(1935)より |